おもしろいことおもしろいこと

主に見てきた芝居の話

春風亭昇太独演会 @関内ホール

3月22日(木)、関内ホール春風亭昇太独演会を聞きに行つてきた。
 
まづ、会場の雰囲気がいい。お客さんもほぼいい人(気持ちのいい人)が多いし、みんな笑ひに来てゐるわけだし。お客さんの気持ちがいいといふのは、たとへば通路の譲り合ひなんかのときに、笑顔の人が多い、とか、まあそんなこと。
そんなわけで、落語自体も大変よい気持ちのまま聞くことができた。
 
開演に先立つて、白黒ボーダーのシャツにデニムのボトムの昇太が出てきてフリートーク。奈良大学に城の件で呼ばれた話、その際に宿泊した奈良ホテルが老舗といふ話、なぜかといふと、洗面台の脇にビールなどの栓抜きが壁にある話、など。あとは携帯電話を切れ、といふこと。
 
立川生志は「元犬」。
あはい灰色の着物。マクラで志の輔・昇太と福岡へ行つた時の話(ガッテン笑点)。先月の平成中村座での談志追悼興行で、談志に「ほめられた話」を思ひつかなかつたが、その後思ひ出した。旅先のホテルで談志が業務用サランラップに目を輝かせてゐたのを見て、こつそりもらつてきた話。しかも三つも。ここの談志と奥さんのやりとりが「火焔太鼓」の三百両のくだりのやうでおもしろかつた。
生志自身は猫派なのださうだが、犬らしいしぐさがかはいらしくかつた。
 
生志と衣装の色がかぶつたといふので、あはい灰色の羽織に水色の着物で出てきた昇太は「そば清」。
マクラで駅伝やマラソンの話。日本人は駅伝とかマラソンのやうに選手が苦しんでゐるのを見るのが好き、そこ行くと落語はねえ、とか。
昇太の落語を聞くのははじめて。「これ、絶対知ってる。あの話なんだけどなあ。でもなんかちがーふ」といふ感じがした。オチ付近でへびをくるまと云ひそこねる。何故。洗濯機を冷蔵庫と云ひ間違へるやうなものか、と、本人。
 
着替。襟元オレンジの襦袢の本体は白地にパステルカラーの大きな水玉をぼかしたもの。着替後は黄色。
「リストラの宴」。マクラは忘れてしまつた。
 
仲入り後、「崇徳院」。着物は桃色。パステルカラーが似合ふなあ。こんなにパステルカラーの似合ふ人、ゐるだらうか。
マクラで桜の話をいろいろしてゐたので、ちよつと期待してゐたんだよね、「崇徳院」。ここのところ、大河ドラマにも出てきてたし。
「戀患ひ」の云ひ方がたまらない。「そば清」のそばの食べ方もさうだけど、かういふのつて落語としては邪道なのかもしれない、などと思ひつつ、「楽しいからいいぢやない」と思ひつつ、帰途につく。
 
さうさう、関内ホールはお手洗ひが少ないのがいつも難だなあ、と思ふ。
25年くらゐ前に建てられたホールだから、和式が多いので足弱(腰弱?)さんは要注意だ。